パヤオ先生


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先週末にNHKで宮﨑駿がCGを使って新しいアニメ作品を創るという特集をしていた。
実は宮﨑駿は機械文明に対してすごく懐疑的な人で、どっちかというとパソコンやスマホを便利だと
言ってつかっている人を毛嫌いしている節がある。
ジブリ事態は作業をデジタル化して彩色なんかはほとんどデジタルで行っているんだけれど
動画の元になる原画みたいなものの作画に関しては一貫して監督さんが手書きでぱっぱぱっぱと描いている。
宮﨑駿も今まで手書きだけで原画を描いてきた人である。
この人は魂とか心とか人間が生きる上で必要なエネルギーみたいなものをすごくよく理解していて
たとえ映画の中で一瞬しか出てこない通行人でさえ、この人はこの時代を一生懸命生き抜いた人だから
気を抜いて描くなと言っていたのを記憶している。
だから人間が自分の手で作り出した数字の羅列で人間の思い通りに動くパソコンなんていうものは
彼にとっては人間を侮辱しているものとして映っていたんだろうと思う。

特集の中では液晶タブレットの使い方にやきもきしながらも
立派に使いこなしていたパヤオ先生。
デジタルで作業していても妥協はしないところに
職人魂みたいなものを感じた。

ネットでは特集の中で某IT企業の社長さんが
CGアニメーションの実験映像というものを宮﨑駿に見せている
シーンが話題になった。
人間の形をした物のような生き物がゾンビのように動くというCGで
社長さん曰く「痛感がないから頭を引きずって歩いたりします。」
その言葉に宮﨑駿さんが怒りを顕にした、(ネットではブチギレと表現されてたけど、理性的に怒ってたと思う)
「これは生命への侮辱」
その言葉に制作スタッフ一同沈黙してしまったのだった。
その後、鈴木Pの「どこに到着したいんですか?」の問いにスタッフから出た言葉
「パソコンに人間が描くような絵を描かせたい」
こうしたふざけたものを宮﨑駿に自信満々で見せに行く制作陣も馬鹿だけれど
この人達、宮﨑駿の作品の絵とか迫力とかそういった表面的なものだけ汲み取って
作品の背景とか、登場人物の描かれていない過去とかそういったものを調べてないのだと思う。
だいたい、もののけ姫を見れば宮﨑駿が障害を持った人たちをどう捉えているのか
すぐ理解できると思うんだけれど…おそらく包帯で体がぐるぐる巻の人たちを見ても
この人達は好きで包帯ぐるぐる巻にしているんだろうと考えていると思う。
実際は彼らは癩病の患者たちで平差別され家族からも見放された人たちだ。
彼らを保護しているエボシ御前という女性もただの女性ではなく元は白拍子という
当時で言えば高級ホステス嬢みたいな人なのだ。悪い言い方をすれば売春婦である。
◯◯御前と名のつく女性は鎌倉時代にたくさんいるんだけれど、彼女たちは巫女であり権力者の占い師兼愛人の立場だったのだ。
そういう背景を汲み取れた時に宮﨑駿は社会に阻害された人々に対して尊敬の念を抱いているのがわかるのである。
これが理解できていればゾンビの動く姿を見せるということなんて無礼千万であることは想像できたと思うんだけれど…
それとパソコンに人間のような絵を描かせたいという言葉も気に入らなかったんだと思う。

絵を描くというのは人間だけに許された活動なのに
それを機械にやらせて描いたところで何か意味があるのだろうかとも思う。
アニメの背景なんかだと一瞬でさっとできるからコスト削減に
効果があるかと思うけれど、全ての人がパソコンに絵をかかせて
ある一定以上のものを描けるようになるというのは違うような気がする。
っていうかこのステキな絵だなーと思っていた絵が古今東西の有名画家の技術をデータ化して
人工頭脳が描いたものだったとわかったら、感動は半減するようなきがするんだけれど。
実際に人工頭脳が描いた絵はすでにあるんだけれども、どうも人間の感性を感じない絵なんだよね…
なんか無機質っていうか。これから人工頭脳と人間の頭脳の戦いが芸術にまで及ぶと思うんだけれど
やっぱり宮﨑駿みたいな戦う人がいないと人間って駄目になっちゃうんじゃないかなって思うよ。

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